整骨院を一人体制で経営している施術者は全体の6割にも達します。一人整骨院はまったく珍しくありません。人件費がかからないのは一人整骨院の大きなメリットですが、業務の多様化が進む昨今は一人では整骨院を回し切れずに苦労することも。想定していたよりも利益を得られない可能性も考えられます。一人で整骨院を経営していくためには、どの程度の売上を確保したら良いのでしょうか。

今回は一人で整骨院を経営する施術者が売上を伸ばすポイントを説明します。

一人整骨院の売上・年収の目標

一人整骨院における理想の売上額は月100万円です。しかし、月に100万円の売上となると平均客単価が5,000円としても1日に8人×25日間のペースでこなさなければなりません。これはかなりハイペースと言えるでしょう。

現実的には50～60万円売上を上げていれば、よほど都心の整骨院でもない限り黒字経営になると考えられます。

柔道整復師の平均年収の相場は300～700万円と幅広いのが特徴です。特に開業当初はなにかと費用が掛かるため、見積もりが甘いと年収200万円に満たないこともあります。

2021年に国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態調査統計」によると、日本人の平均年収は約430万円。まずはこの年収を目指すと良いでしょう。

一人整骨院の現状

整骨院を一人で経営する場合、平均的な月額固定費は30万円程度です。日本人の平均的な年収を得るためには60～70万円程度稼ぐ必要があります。

ただし、一人で回す以上一日に施術できる人数は15～20人程度に限られてきます。効率的に稼ぐためには、やはり客単価を上げなければなりません。

客単価を5,000円に設定し、毎日10人施術する想定であれば、5,000円×10人×20日で100万円に到達できます。

売上を増やしていくためには

客単価と一日の施術人数を想定するのは簡単ですが、現実的には何らかの工夫をしなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。2016年におけるマッサージ院、鍼灸院、整骨院、整体院の数は13万6460カ所。もはやコンビニよりも多いと言われている治療院のなかで、安定した経営を継続させるためにはどのような工夫をしたら良いのでしょうか。

1人当たりの客単価を上げる

治療院業界における全国的な客単価は5,400円程度と言われています。また、一人あたりにかかる施術時間の平均は約1時間で、終日開いていても施術できるのは多くて10人。一日の売上は最大5万円程度であり、月商100万円は少し厳しいと言えます。

少しでも1人当たりの客単価を上げるためには、保険の対象外である自費治療を勧めたり、テーピングや包帯などの商品の販売を促進しましょう。こうした地道な努力が客単価アップにつながります。

1日の施術数を増やす

客単価を上げるだけではなく、1日の施術数を増やす努力もぜひしてみてください。短時間で効率的に整骨院を回転させることができれば、より多くの患者さんに対応することができます。

ここで重要なのは、施術時間で価格を設定しないことです。施術時間は患者さんの症状次第で変わってくるため、時間単価を基準にしていると、かえって効率が悪くなることも。症状別や使用する機器によって価格を設定することをおすすめします。

一人整骨院に多い注意点

一人で整骨院を経営していると、アドバイスをしてくれる人が誰もいないため、自分の整骨院の課題に気づかないケースが多々あります。ここからは一人で整骨院を経営する際に気を配りたい注意点を紹介します。

受付まで手が回らないはダメ

「患者さんの施術中は電話が取れないので、留守番電話にしている」「会計まで患者さんを待たせてしまうことがしばしばある」という整骨院は、受付に手が回っていない状態と言えます。

電話や受付窓口は、いわば整骨院の顔的存在です。その場所が整っていなければ、「信頼できない整骨院」とみなされ、患者さんが離れていってしまう可能性があります。

「多忙で電話を取れないことが多い」「受付対応がぞんざいになってしまうことがある」ということであれば、受付専用のスタッフを一人だけでも雇用することを考えましょう。きちんと対応してくれるスタッフであれば、パートやアルバイトでも問題はありません。

クレームは受け止めて改善する

客商売である以上、ときには患者さんからクレームを受けることもあるでしょう。正論であってもキツイ言い方をされるとムッとした気持ちになりますが、謙虚になってお叱りの言葉を受け止めるようにしてください。その言葉にこそ経営のヒントが隠れている可能性があります。

「どうしたら患者さんに気に入ってもらえるのか」「自分の何が気に入らなかったのか」を、一度とことん考えてみてください。

開業前でも開業後でもできること

開業前の準備は入念に行うに越したことはありませんが、開業後に課題に気づいて変えていけることも少なくありません。ここからは開業前後に問わず、常に心掛けておきたい整骨院の経営のコツを紹介します。

事業計画を作る

資金調達をする際に必須となる事業計画書の作成。しかし、開業前に立てた計画が100％うまくいくとは限りません。開業後にも何度か見直して、計画書を刷新していきましょう。トライ&エラーを繰り返していくことで、経営のノウハウを蓄積することができます。

既存顧客を分析

いつも通ってくださる患者さんの特徴を分析しましょう。来院してくださる時間帯や来院頻度、また平均単価や人気の施術メニュー、健康保険と自費の内訳を分析することで、注力すべき施術や客単価の見直しをはかることができます。

リピート率を高める

新規の患者さんを獲得することも重要ですが、現在通ってくださっている患者さんを大切にすることも非常に重要です。通い続けてもらえるように、リピーター向けの施術料金を設定したり、次回予約を積極的に促したりすると、足しげく通ってもらえるようになります。

新規顧客を増やす方法に取り組む

もちろん新規顧客の獲得を意識することも重要です。誰しも初めて入る整骨院には多少なりとも不安を抱えているものです。そこを新規顧客向けキャンペーンを実施するなどして、来院のハードルを低く設定しましょう。既存の患者さんに「友達紹介キャンペーン」を呼びかけ、知り合いを連れてきていただく方法もあります。

経営の良き相談者を見つける

前述の通り、一人整骨院は自院の課題に気づきにくく、赤字が発生しても原因に気づけないということが少なくありません。そのようなときに、いつでも相談できる経営の良き相談者を見つけておくことをおすすめします。

不定期で無料の経営相談会を実施している企業も存在します。こういったイベントに参加してみると良い効果を期待できるかもしれません。

一人での整骨院経営にお悩みの方はいつでもご相談ください！

一人で整骨院を経営していくことに不安を抱えているという方、現在一人で整骨院を経営しているけれどもなかなかうまくいかないという方は、ぜひ一度物療機器販売本舗にご相談ください。

これまでの豊富な実績をもとに、経営者様のお悩みに対して的確な経営アドバイスをさせていただいております。自院の経営の課題を可視化することで、今後目指すべき目標が見えてくるはずです。きっと売上や年収アップを期待できるはずです。

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