【2025年最新】整骨院で使える補助金・助成金完全ガイド
整骨院の開業や運営には、設備投資や人材採用など多くの費用がかかります。
「資金繰りが厳しい」「新しい機器を導入したいけれど予算が足りない」とお悩みの院長先生も多いのではないでしょうか。
実は、整骨院でも活用できる補助金・助成金制度は数多く存在します。
これらを上手に活用すれば、返済不要の資金を得て経営の安定化や事業拡大を図ることが可能です。
本記事では、2025年最新の情報をもとに、整骨院で活用できる補助金・助成金の種類から申請手順、採択率を上げるポイントまで徹底解説します。
整骨院が補助金・助成金を活用するメリット
開業資金・設備投資の負担を軽減できる
整骨院の開業時には、内装工事費、物療機器の購入費、広告宣伝費など、まとまった初期投資が必要です。また、開業後も設備の更新や新しい機器の導入など、継続的な投資が求められます。
補助金・助成金を活用すれば、これらの費用の一部を国や自治体から支援してもらえます。たとえば、小規模事業者持続化補助金を利用すれば、販路開拓にかかる経費の最大2/3(上限50〜200万円)が補助されます。自己資金だけでは難しかった設備投資も、補助金を活用することで実現しやすくなります。
人材採用・育成の支援が受けられる
整骨院の経営において、優秀なスタッフの確保と育成は重要な課題です。助成金制度の中には、人材の採用や教育訓練に対して支援を行うものが多数あります。
たとえば、キャリアアップ助成金を活用すれば、パート・アルバイトから正社員への転換時に最大80万円の支給を受けられます。また、人材開発支援助成金では、スタッフの研修費用や資格取得支援の費用が補助対象となります。
返済不要で経営リスクを抑えられる
補助金・助成金の最大のメリットは、融資と異なり返済が不要という点です。
銀行融資を受けた場合、毎月の返済が経営を圧迫するリスクがあります。一方、補助金・助成金は要件を満たして受給すれば返済義務がないため、経営リスクを最小限に抑えながら事業投資を行えます。
補助金・助成金の基礎知識
補助金と助成金は似ているようで、実は異なる点があります。申請前に両者の違いを理解しておきましょう。
補助金と助成金の共通点
いずれも返済不要の支援金
補助金も助成金も、要件を満たして受給すれば返済する必要がありません。この点が融資との大きな違いです。
申請・審査を経て支給される
どちらも申請書類を提出し、審査を経て支給が決定されます。申請すれば必ずもらえるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。
支給まで一定の期間がある
補助金・助成金は、申請から支給までに数ヶ月かかるのが一般的です。また、多くの場合は「後払い」方式で、先に自己資金で経費を支払い、後から補助金・助成金が振り込まれる仕組みになっています。
補助金と助成金の違い
管轄機関(経産省・厚労省)の違い
補助金は主に経済産業省や中小企業庁が管轄し、事業の成長や生産性向上を目的としています。一方、助成金は主に厚生労働省が管轄し、雇用の安定や労働環境の改善を目的としています。
受給難易度と採択率
助成金は、要件を満たせば基本的に受給できるものが多く、採択率が比較的高い傾向にあります。一方、補助金は予算枠があり、申請者同士が競争する形になるため、採択率が低いケースもあります。人気の補助金では採択率が30〜50%程度になることも珍しくありません。
対象経費と目的の違い
補助金は設備投資や販路開拓、IT導入など事業に関する経費が対象です。助成金は人件費や研修費用、労働環境改善にかかる費用が主な対象となります。
整骨院で活用できる主要な補助金制度
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、従業員数が少ない小規模事業者を対象とした補助金で、整骨院でも多く活用されています。
上限額・補助率・対象経費
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 50万円〜200万円(申請枠により異なる) |
| 補助率 | 2/3(一部の枠では3/4) |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費、開発費など |
整骨院では、ホームページ制作費用、チラシ・パンフレットの作成費、店舗改装費、新しい物療機器の購入費などに活用できます。
申請ポイントと注意事項
申請には経営計画書と補助事業計画書の作成が必要です。自院の強みや課題を分析し、補助金を活用してどのように売上向上や顧客獲得につなげるかを具体的に記載することが重要です。
また、商工会議所または商工会の支援を受けることが申請要件となっているため、事前に地域の商工会議所に相談しましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のデジタル化を支援する補助金です。
電子カルテ・予約システム導入にも対応
整骨院では、電子カルテシステム、オンライン予約システム、顧客管理システム、会計ソフトなどの導入に活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 50万円〜450万円(申請枠により異なる) |
| 補助率 | 1/2〜4/5 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費など |
デジタル化による業務効率化支援
IT導入補助金を活用してシステムを導入することで、予約管理の効率化、カルテ作成時間の短縮、顧客データの一元管理などが実現できます。業務効率化によって生まれた時間を施術や患者対応に充てることで、サービス品質の向上にもつながります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
通称「ものづくり補助金」と呼ばれるこの制度は、生産性向上につながる設備投資を支援します。
新メニュー開発・設備投資への活用例
整骨院では、最新の物療機器導入による新しい施術メニューの開発や、生産性を向上させる設備投資に活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 750万円〜5,000万円(申請枠により異なる) |
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
| 対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費など |
事業計画の提出が必須
ものづくり補助金の申請には、3〜5年の事業計画を策定し、付加価値額や給与支給総額の増加目標を設定する必要があります。審査では計画の実現可能性が重視されるため、具体的な数値目標と根拠を示すことが重要です。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新分野展開や業態転換など、思い切った事業の再構築に取り組む事業者を支援する制度です。
業態転換・新サービス導入に最適
たとえば、従来の保険施術中心の整骨院から自費メニューを強化した業態への転換や、フィットネス・パーソナルトレーニング事業の新規展開などに活用できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 100万円〜1.5億円(申請枠・従業員数により異なる) |
| 補助率 | 1/2〜3/4 |
| 対象経費 | 建物費、機械装置費、システム構築費、広告宣伝費など |
大規模改装・新規出店にも対応
事業再構築補助金は補助上限額が高く、建物の改装費用も対象となるため、大規模なリニューアルや新規出店を計画している場合に適しています。ただし、審査は厳しく、事業計画の実現可能性や市場ニーズの分析が重要になります。
整骨院で利用できる助成金制度
雇用調整助成金
人員維持・雇用安定を支援
雇用調整助成金は、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を維持するために休業等を実施した場合に支給される助成金です。
売上が減少した時期でも従業員を解雇せず雇用を維持することで、休業手当の一部が助成されます。
キャリアアップ助成金
非正規から正社員転換で支給
キャリアアップ助成金は、パートタイマーや契約社員などの非正規雇用労働者のキャリアアップを促進する事業主に対して支給されます。
| コース | 支給額(中小企業の場合) |
|---|---|
| 正社員化コース | 1人あたり最大80万円 |
| 賃金規定等改定コース | 1人あたり最大6.5万円 |
整骨院では、パート勤務の受付スタッフや助手を正社員に転換する際に活用できます。
両立支援等助成金
育児・介護と仕事の両立を支援
両立支援等助成金は、従業員の育児休業取得や介護休業取得を支援した事業主に支給されます。
女性スタッフが多い整骨院では、育児休業を取得しやすい環境を整えることで、人材の定着率向上にもつながります。出生時両立支援コースでは、男性従業員が育児休業を取得した場合にも助成金が支給されます。
人材開発支援助成金
スタッフ研修・技術習得の費用補助
人材開発支援助成金は、従業員に対して職業訓練を実施した事業主に支給されます。
整骨院では、スタッフの技術向上のための外部研修受講費用や、資格取得支援にかかる費用が助成対象となります。訓練経費の助成に加え、訓練期間中の賃金の一部も助成されるため、積極的な人材育成を行いやすくなります。
業務改善助成金
最低賃金引き上げと設備投資をサポート
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った中小企業に支給されます。
| 賃金引き上げ額 | 助成上限額(10人以上の場合) |
|---|---|
| 30円以上 | 30万円〜120万円 |
| 60円以上 | 60万円〜230万円 |
| 90円以上 | 90万円〜450万円 |
最低賃金の引き上げとセットで、物療機器やPOSレジなどの設備投資費用が助成されます。
マイナンバーカード資格確認導入助成金
オンライン資格確認導入の支援内容
2024年12月の健康保険証廃止に伴い、整骨院でもマイナンバーカードによるオンライン資格確認の導入が義務化されました。この導入を支援する補助金・協力金制度があります。
| 支援内容 | 金額 |
|---|---|
| 導入補助金(機器購入費) | 最大41,000円 |
| 協力金(利用促進支援) | 5万円 |
導入・申請の手順
施術所等向け総合ポータルサイトに登録し、利用開始申請を行った上で、補助金・協力金の申請手続きを行います。導入補助金の申請期限は2025年2月1日までとなっているため、早めの対応が必要です。
整骨院の開業時に利用できる制度
創業補助金
新規開業者向け、最大200万円支給
創業補助金(地域創造的起業補助金)は、新たに創業する事業者を支援する制度です。創業に必要な経費の一部が補助されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 1/2 |
| 対象経費 | 人件費、設備費、原材料費、広報費など |
公募期間に注意し早期準備が必要
創業補助金は公募期間が限られており、年に1〜2回程度しか募集がありません。開業を検討している場合は、早めに情報収集を行い、公募開始前から準備を進めておくことが重要です。
地域雇用開発助成金
地域採用による支給上限と条件
地域雇用開発助成金は、雇用機会が不足している地域で事業所を設置し、地域の求職者を雇用した事業主に支給されます。
設置・整備費用と雇用人数に応じて、最大960万円が支給されます。地方で整骨院を開業する場合に活用を検討できる制度です。
地域指定・雇用条件に留意
この助成金を受けるには、対象地域での事業所設置と、地域内居住者の雇用が条件となります。開業予定地が対象地域に該当するか、事前に確認しておきましょう。
日本政策金融公庫の融資制度
補助金・助成金とは異なり返済が必要ですが、日本政策金融公庫の融資制度も開業時の資金調達手段として有効です。
女性・若者・シニア起業家支援
女性、35歳未満の若者、55歳以上のシニア層が創業する場合、優遇金利で融資を受けられる「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」があります。
再挑戦支援・低利融資制度
過去に事業を廃業した経験がある方でも、「再挑戦支援資金」を活用して再度の創業にチャレンジできます。民間金融機関と比較して低金利で借り入れできるため、開業時の資金調達の選択肢として検討してみてください。
補助金・助成金の申請手順
①相談・情報収集
商工会議所・自治体に相談
補助金・助成金の申請を検討する際は、まず地域の商工会議所や自治体の中小企業支援窓口に相談しましょう。自院の状況に合った制度を紹介してもらえるほか、申請に関するアドバイスも受けられます。
対象条件とスケジュールを確認
各補助金・助成金には申請要件や公募期間が定められています。自院が対象となるか、いつまでに申請が必要かを確認し、スケジュールを立てて準備を進めましょう。
②事業計画書の作成
収益計画・地域貢献性を明確に
補助金の申請には、事業計画書の作成が必須です。補助金を活用してどのような事業を行い、どのような成果を目指すのかを具体的に記載します。
整骨院の場合、売上目標や新規顧客獲得数などの数値目標に加え、地域住民の健康増進への貢献といった社会的意義もアピールポイントになります。
「実現可能性」の高さが採択の鍵
審査では、計画の実現可能性が重視されます。「絵に描いた餅」ではなく、市場調査や競合分析に基づいた現実的な計画を立てましょう。過去の実績や経験、保有する資格なども、実現可能性を裏付ける材料になります。
③申請・審査
書類不備を防ぎ、提出期限を厳守
申請書類に不備があると、審査の対象外となってしまう場合があります。必要書類のチェックリストを作成し、提出前に漏れがないか確認しましょう。また、公募期間には締め切りがあるため、余裕を持って準備を進めることが大切です。
採択後の報告義務にも注意
補助金が採択された後も、交付申請や実績報告などの手続きが必要です。報告書の提出期限や保存すべき書類についても事前に確認しておきましょう。
④受給・報告
交付決定後に対象経費を支出
補助金は原則として「後払い」です。交付決定通知を受けてから対象経費を支出し、その後に補助金が支給されます。交付決定前に支出した経費は補助対象外となる場合があるため、注意が必要です。
実績報告書の提出で支払い完了
事業完了後、実績報告書と支出を証明する書類(請求書、領収書など)を提出します。審査を経て補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。
申請時の注意点と成功のポイント
採択率を上げるための工夫
具体的な数値目標と成果指標を提示
「売上を向上させる」といった抽象的な表現ではなく、「新規顧客を月10名獲得し、年間売上を20%向上させる」といった具体的な数値目標を設定しましょう。目標に対する達成方法も明確に記載することで、計画の信頼性が高まります。
地域貢献や雇用創出の視点を盛り込む
補助金は公的資金を活用した支援制度です。自院の利益だけでなく、地域経済への貢献や雇用創出といった社会的なメリットも計画に盛り込むと、審査員からの評価が高まります。
代行業者のトラブル回避
「必ず通る」と謳う業者に注意
補助金申請の代行業者の中には、「必ず採択される」「100%成功」などと謳う悪質な業者も存在します。補助金の採択は審査によって決まるため、確実に通る保証はありません。過大な成功報酬を請求されたり、不正申請に加担させられるリスクもあるため、注意が必要です。
行政機関・商工会議所を活用する
申請サポートが必要な場合は、まず商工会議所や自治体の支援窓口を活用しましょう。無料で相談できるうえ、信頼性の高いアドバイスを受けられます。専門家に依頼する場合も、行政書士や中小企業診断士など、資格を持った専門家を選ぶと安心です。
専門家・支援機関を活用する
行政書士・商工会議所との連携
補助金・助成金の申請書類作成は、慣れていないと時間がかかり、不備が生じやすいものです。行政書士や商工会議所の専門スタッフと連携することで、効率的に申請を進められます。
商工会議所では、小規模事業者持続化補助金の申請に必要な「事業支援計画書」の発行も行っています。日頃から商工会議所と関係を築いておくと、補助金情報の入手や申請サポートがスムーズになります。
補助金・助成金申請サポートの活用方法
自院だけで申請を進めるのが難しい場合は、補助金申請サポートの活用も検討しましょう。申請代行の費用はかかりますが、採択率が上がれば結果的にプラスになります。
サポートを依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、実績や料金体系を比較した上で選定することをおすすめします。成功報酬型の場合、採択された場合のみ費用が発生するため、リスクを抑えられます。
まとめ
整骨院の経営において、補助金・助成金は資金調達の有力な手段です。返済不要で活用できるため、経営リスクを抑えながら設備投資や人材育成を進められます。
整骨院で活用できる主な補助金・助成金は以下のとおりです。
【補助金】
- 小規模事業者持続化補助金(販路開拓、設備投資)
- IT導入補助金(電子カルテ、予約システム導入)
- ものづくり補助金(生産性向上のための設備投資)
- 事業再構築補助金(業態転換、新サービス展開)
【助成金】
- キャリアアップ助成金(正社員転換支援)
- 人材開発支援助成金(スタッフ研修費用)
- 業務改善助成金(賃金引き上げ+設備投資)
- マイナンバーカード資格確認導入助成金
申請を成功させるポイントは、具体的な数値目標を設定した実現可能性の高い事業計画を作成することです。商工会議所や専門家のサポートも活用しながら、計画的に申請を進めましょう。
補助金・助成金の公募情報は随時更新されるため、定期的に情報収集を行い、自院に合った制度を見逃さないようにすることが大切です。
整骨院の開業・設備投資をお考えの方へ
補助金・助成金を活用した設備投資をご検討中の方は、物療機器の選び方も重要なポイントです。
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