整骨院経営 2026年1月27日

整骨院の事業計画書の書き方|記入例とポイントを解説

「整骨院を開業したいけれど、事業計画書の書き方がわからない」
「融資を受けるために、どのような内容を盛り込めばよいのか」
——開業準備を進める柔道整復師の方から、このような相談をよく受けます。

事業計画書は、融資審査において金融機関が最も重視する書類の一つです。
同時に、自身の開業計画を整理し、成功への道筋を明確にするためにも欠かせないものです。

しかし、事業計画書の作成に慣れている方は少なく、「何をどう書けばよいかわからない」と悩む方が多いのが現状です。

本記事では、整骨院開業に必要な事業計画書の書き方を、具体的な記入例とともに解説します。
日本政策金融公庫の創業計画書のフォーマットに沿って説明しますので、これから開業準備を進める方はぜひ参考にしてください。


整骨院開業に事業計画書が必要な理由

事業計画書は、なぜ必要なのでしょうか。主な理由を確認しましょう。

1つ目は融資審査のためです。日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける際、事業計画書の提出が求められます。金融機関は事業計画書をもとに、事業の実現可能性や返済能力を判断します。計画書の出来が融資の可否を左右するといっても過言ではありません。

2つ目は自身の計画を整理するためです。事業計画書を作成する過程で、開業に必要な資金、想定売上、ターゲット顧客、競合との差別化など、様々な要素を整理できます。頭の中で漠然と考えていたことを言語化・数値化することで、計画の甘さや抜け漏れに気づくことができます。

3つ目は開業後の経営指針にするためです。事業計画書は、開業後の経営においても指針となります。計画と実績を比較することで、問題点を早期に発見し、対策を講じることができます。

事業計画書は「融資を受けるためだけのもの」ではなく、開業を成功させるための重要なツールです。時間をかけてしっかりと作成しましょう。


整骨院向け事業計画書のテンプレート・ひな形

事業計画書のフォーマットは、融資先によって異なります。

日本政策金融公庫を利用する場合は、公庫が用意している「創業計画書」のテンプレートを使用します。公庫のホームページからダウンロードでき、記入例も公開されています。

銀行・信用金庫を利用する場合は、それぞれの金融機関が指定するフォーマットがある場合もありますが、日本政策金融公庫の創業計画書をベースに作成すれば、多くの場合対応できます。

本記事では、日本政策金融公庫の創業計画書のフォーマットに沿って、各項目の書き方を解説します。


整骨院の事業計画書の書き方と記入例

創業計画書の各項目について、書き方と記入例を詳しく解説します。

創業の動機

「なぜ整骨院を開業しようと思ったのか」を記載する項目です。融資担当者は、開業への本気度や計画性を見ています。

計画性を伝えるポイント

単なる夢や希望ではなく、具体的な準備や計画を伝えることが重要です。

計画性を伝えるポイントとして、開業を決意した具体的なきっかけ、開業に向けて行ってきた準備、なぜ今のタイミングで開業するのか、将来のビジョンを盛り込みましょう。

「いつか開業したいと思っていた」だけでは弱く、「〇年間の勤務経験で技術と経営ノウハウを習得し、開業の準備を進めてきた」という流れで書くと説得力が増します。

経験や開業準備の振り返り方

これまでの経験と、開業準備で行ってきたことを整理しましょう。

記入例として、「柔道整復師として10年間、整骨院に勤務してきました。勤務先では5年目から副院長として経営にも携わり、売上管理、スタッフ教育、集客施策などを経験しました。この経験を活かし、地域に根ざした整骨院を開業したいと考え、3年前から開業資金の準備を始めました。また、施術管理者研修を修了し、開業に必要な実務経験も満たしています。〇〇駅周辺で商圏調査を行い、競合が少なく需要が見込めるエリアを選定しました。」といった内容が考えられます。

経営者の略歴等

経営者(開業者)の職歴や事業実績を記載する項目です。これまでの経験が、開業後の成功につながることをアピールしましょう。

職歴・事業実績の書き方

時系列で、整骨院業界での経験を中心に記載します。

記入例として、「〇〇年〇月 〇〇大学卒業、〇〇年〇月 〇〇柔道整復専門学校入学、〇〇年〇月 柔道整復師国家試験合格、〇〇年〇月 〇〇整骨院入社(施術スタッフとして勤務)、〇〇年〇月 同院 副院長就任(売上管理、スタッフ教育を担当)、〇〇年〇月 施術管理者研修修了、〇〇年〇月 同院 退職(開業準備のため)」といった流れで記載します。

柔道整復師免許の記載

柔道整復師免許の取得年月を必ず記載しましょう。施術管理者研修の修了、その他関連資格(鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師など)があれば併せて記載します。

取得資格の例として、「柔道整復師免許(〇〇年〇月取得)、施術管理者研修修了(〇〇年〇月)、はり師・きゅう師免許(〇〇年〇月取得)」などがあります。

取扱商品・サービス

提供するサービスの内容、セールスポイント、ターゲット顧客などを記載する項目です。整骨院のコンセプトや差別化ポイントを明確に伝えましょう。

サービス内容と構成比の書き方

提供するサービスと、売上構成比の見込みを記載します。

記入例として、「①保険施術(骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の治療)売上構成比40%、②骨盤矯正・姿勢矯正(自費) 売上構成比30%、③ハイボルト治療・ラジオ波施術(自費)売上構成比20%、④物販(サポーター、インソール等)売上構成比10%」といった内容が考えられます。

セールスポイントの伝え方

他院との違い、自院の強みを具体的に記載します。

記入例として、「10年間の臨床経験で培った施術技術と、副院長として経営に携わった経験を活かし、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を提供します。特に、デスクワークによる肩こり・腰痛に悩む30〜50代のビジネスパーソンに対して、根本改善を目指す骨盤矯正メニューを強みとしています。最新のハイボルト治療器を導入し、急性期の痛みにも即効性のある施術を提供できる点も特徴です。」といった内容が考えられます。

販売ターゲット・販売戦略の書き方

誰に対して、どのようにサービスを届けるかを明確にします。

記入例として、販売ターゲットは「〇〇駅周辺に勤務・居住する30〜50代のビジネスパーソン。デスクワークによる肩こり・腰痛に悩み、根本改善を求める層」、販売戦略は「Googleビジネスプロフィールの最適化による地域検索での上位表示、症状別のSEO対策を施したホームページによる集客、LINE公式アカウントを活用した予約受付とリピート促進、開業時のチラシ配布(商圏内3,000部)」といった内容が考えられます。

競合・市場環境の分析方法

商圏内の競合状況と、自院がどのように差別化するかを分析します。

記入例として、「商圏内(半径1km)には整骨院が3件存在。いずれも保険施術中心で、自費メニューの充実度は低い。当院は自費施術を充実させ、『根本改善を目指す整骨院』として差別化を図る。また、商圏内のオフィスビルには約5,000人のビジネスパーソンが勤務しており、潜在顧客は十分に存在する。」といった内容が考えられます。

取引先・取引関係等

仕入先や販売先、外注先などの取引関係を記載します。

整骨院の場合の記載例として、販売先は「一般個人(地域住民、近隣オフィス勤務者)」、仕入先は「〇〇医療器械株式会社(消耗品、テーピング等)」、外注先は「〇〇レセプト代行(保険請求業務)、〇〇税理士事務所(経理業務)」といった内容が考えられます。

主な仕入先や外注先が決まっている場合は、具体的な社名を記載すると信頼性が高まります。

従業員

開業時の従業員数を記載します。

運営体制の想定方法

1人で開業する場合は従業員「0人」と記載します。スタッフを雇用する場合は、人数と役割を明確にしましょう。

記入例として、1人院の場合は「常勤役員の数 1人、従業員数 0人」、スタッフ雇用の場合は「常勤役員の数 1人、従業員数 2人(うちパート1人)。内訳:柔道整復師1名(常勤)、受付スタッフ1名(パート)」といった内容が考えられます。

人件費は経営に大きく影響するため、開業時は必要最低限の人数でスタートし、経営が安定してから増員するのが一般的です。

お借入れの状況

現在の借入状況(住宅ローン、自動車ローン、その他借入)を正直に記載します。

自動車ローン・住宅ローンの記載

既存の借入がある場合は、すべて記載します。隠しても信用情報で確認されるため、正直に書きましょう。

記入例として、「住宅ローン 借入先 〇〇銀行 借入残高 2,500万円 年間返済額 120万円、自動車ローン 借入先 〇〇ファイナンス 借入残高 80万円 年間返済額 24万円」といった内容が考えられます。

既存の借入が多い場合、追加融資の審査に影響することがあります。返済負担率(年間返済額÷年収)が高すぎると、融資が難しくなる場合があります。

必要な資金と調達方法

開業に必要な資金の内訳と、その調達方法を記載します。この項目は融資審査で最も重要視される部分の一つです。

設備資金の記入方法

設備資金は、開業時に一度だけかかる費用(物件取得費、内装工事費、機器購入費など)です。

記入例として、「設備資金合計 850万円。内訳:物件取得費(敷金・礼金・保証金等)150万円、内装工事費 300万円、医療機器・備品 250万円、看板・サイン工事 50万円、ホームページ制作費 30万円、その他備品 70万円」といった内容が考えられます。

各項目は、見積書を取得して具体的な金額を記載しましょう。見積書は融資申込時に添付資料として提出します。

運転資金の記入方法

運転資金は、開業後の運営に必要な費用(家賃、光熱費、消耗品費、人件費など)です。売上が安定するまでの期間をカバーする資金を確保しましょう。

記入例として、「運転資金合計 350万円。内訳:仕入資金(消耗品等)50万円、広告宣伝費 50万円、家賃・光熱費(6ヶ月分)100万円、人件費(6ヶ月分)※1人院の場合は生活費として 150万円」といった内容が考えられます。

資金調達方法は、自己資金と借入金の内訳を記載します。調達方法の例として、「自己資金 300万円、日本政策金融公庫からの借入 700万円、親族からの借入 200万円、合計 1,200万円」といった内容が考えられます。

自己資金は、融資額の10〜30%程度あると審査で有利になります。

事業の見通し(月平均)

開業後の売上・経費・利益の見通しを記載します。「創業当初」と「軌道に乗った後」の2パターンを記載するのが一般的です。

売上の根拠となる計算式の書き方

売上予測は、根拠のある数字を記載することが重要です。「なんとなく」ではなく、計算式で説明できるようにしましょう。

売上の計算式は「売上 = 客単価 × 1日の患者数 × 営業日数」です。

記入例として、創業当初(1〜6ヶ月目)は「客単価 2,500円 × 1日10人 × 月25日 = 月商62.5万円」、軌道に乗った後(7ヶ月目以降)は「客単価 3,000円 × 1日20人 × 月25日 = 月商150万円」といった計算ができます。

経費の見通しとして、創業当初の月額は「家賃 15万円、人件費(院長報酬含む)20万円、消耗品費 3万円、光熱費 2万円、通信費 1万円、広告宣伝費 5万円、借入返済 8万円、その他経費 3万円、合計 57万円」、利益は「62.5万円 − 57万円 = 5.5万円」といった内容が考えられます。

軌道に乗った後の月額は「家賃 15万円、人件費(院長報酬含む)35万円、消耗品費 5万円、光熱費 2.5万円、通信費 1万円、広告宣伝費 8万円、借入返済 8万円、その他経費 5万円、合計 79.5万円」、利益は「150万円 − 79.5万円 = 70.5万円」といった内容が考えられます。

売上予測は、保守的に見積もることが重要です。楽観的すぎる数字は、融資担当者に「現実を見ていない」と判断される可能性があります。


事業計画書作成で押さえるべきポイント

事業計画書を作成する際に、特に押さえるべきポイントを解説します。

お店の強み・コンセプトを明確に伝える

融資担当者は、「この整骨院は競合に勝てるのか」を見ています。自院の強み・コンセプトを明確に伝えましょう。

強み・コンセプトを伝えるポイントとして、他院との違いを具体的に説明すること、なぜその強みを持っているのか(経験、資格、設備など)を説明すること、その強みがターゲット顧客にとって価値があることを説明することが重要です。

悪い例は「丁寧な施術を心がけます」で、良い例は「10年間で延べ1万人以上の患者を施術した経験を活かし、患者様一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの施術を提供します。特に、デスクワークによる慢性的な肩こり・腰痛の根本改善に強みがあります」といった具体的な内容です。

根拠にもとづいた数値を記載する

売上予測や経費見積もりは、根拠に基づいた数字を記載しましょう。

根拠を示す方法として、客単価は「保険施術〇円 + 自費施術〇円 = 平均〇円」のように計算式で示すこと、患者数は「勤務時代の経験」「商圏調査の結果」などを根拠にすること、経費は見積書を取得し、具体的な金額を記載することが重要です。

融資担当者から「この数字の根拠は?」と聞かれたときに、説明できるようにしておきましょう。

なぜ選ばれるかを具体的に示す

競合が多い市場で、なぜ自院が選ばれるのかを具体的に示しましょう。

選ばれる理由の例として、「商圏内で唯一、ハイボルト治療器を導入しており、急性期の痛みにも即効性のある施術を提供できる」「平日21時まで営業しており、仕事帰りのビジネスパーソンが通いやすい」「骨盤矯正の専門資格を持ち、産後の骨盤ケアに特化したメニューを提供する」といった内容が考えられます。

「なぜ選ばれるか」を説明できなければ、融資担当者は「この事業は成功するのか」と疑問を持ちます。


まとめ

整骨院開業において、事業計画書は融資審査のためだけでなく、自身の計画を整理し、成功への道筋を明確にするために重要なツールです。

事業計画書の主な項目は、創業の動機、経営者の略歴等、取扱商品・サービス、取引先・取引関係等、従業員、お借入れの状況、必要な資金と調達方法、事業の見通しです。

作成のポイントとして、お店の強み・コンセプトを明確に伝えること、根拠に基づいた数値を記載すること、なぜ選ばれるかを具体的に示すことが重要です。

事業計画書の作成に不安がある場合は、商工会議所の創業相談や、中小企業診断士、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。時間をかけてしっかりと作成し、融資審査の成功と開業後の経営安定につなげましょう。


物療機器販売本舗では、整骨院の開業支援から経営改善まで、トータルでサポートしております。

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