整骨院経営 2026年1月28日

接骨院の客単価の平均は?単価を上げる方法も解説

「毎日多くの患者さんを施術しているのに、思うように利益が残らない」
「客単価を上げたいけれど、どうすればよいかわからない」

——このような悩みを抱える接骨院経営者は少なくありません。

接骨院の経営において、客単価は売上を左右する重要な要素です。
保険施術だけに頼った経営では客単価が低くなりがちで、いくら患者数を増やしても収益が伸び悩むことがあります。

本記事では、接骨院の平均客単価のデータから、客単価を上げるための具体的な方法
さらには売上アップに向けた総合的な施策まで詳しく解説します。

経営改善のヒントとして、ぜひ参考にしてください。


接骨院の売上は「単価×人数×頻度」で決まる

接骨院の売上は、シンプルな計算式で表すことができます。

売上の計算式は、「売上 = 客単価 × 患者数 × 来院頻度」となります。

例えば、客単価が2,000円、月の患者数が200人、平均来院頻度が月2回の場合、月商は2,000円 × 200人 × 2回 = 80万円となります。

この計算式から、売上を上げるためには3つのアプローチがあることがわかります。

1つ目は客単価を上げることです。1回あたりの施術料金を高くすることで、同じ患者数でも売上が増えます。

2つ目は患者数を増やすことです。新規患者の獲得、離脱患者の防止により、延べ患者数を増やします。

3つ目は来院頻度を高めることです。1人の患者に月1回ではなく月2回来てもらえれば、売上は2倍になります。

これら3つの要素をバランスよく改善することが、売上アップの基本戦略です。本記事では、特に「客単価」に焦点を当てて解説しますが、他の要素についても触れていきます。


接骨院の平均客単価はいくら?

接骨院の客単価は、保険施術と自費施術で大きく異なります。それぞれの平均単価を見ていきましょう。

保険診療の平均単価

保険施術(療養費)の客単価は、500円〜1,500円程度が一般的です。

保険施術の単価が低い理由として、療養費の算定基準が定められており、上限があること、患者は自己負担分(1〜3割)のみを支払うこと、施術部位数や施術内容によって算定額が決まることが挙げられます。

保険施術の具体的な単価例として、初診(1部位)で1,500円〜2,000円程度(患者負担500円〜600円程度)、再診(1部位)で500円〜800円程度(患者負担150円〜250円程度)となります。

保険施術のみの経営では、客単価を大きく上げることは困難です。多くの患者を施術しなければ売上を確保できないため、時間的な制約が生じやすくなります。

自費診療の平均単価

自費施術の客単価は、3,000円〜10,000円以上と幅広く設定されています。

自費施術の価格帯の例として、骨盤矯正・姿勢矯正は1回4,000円〜8,000円程度、ハイボルト治療は1回1,500円〜3,000円程度、ラジオ波施術は1回3,000円〜6,000円程度、EMSトレーニングは1回2,000円〜4,000円程度、美容整体・小顔矯正は1回5,000円〜10,000円程度となっています。

自費施術は価格を自由に設定できるため、提供する価値に見合った料金を請求できます。客単価を上げたい場合、自費施術の導入・拡充が最も効果的な方法です。

1人接骨院の売上・年収の目安

1人で経営する接骨院(1人院)の売上と年収の目安を見てみましょう。

保険施術中心の場合、客単価を800円と仮定すると、1日20人施術で日商16,000円、月25日稼働で月商40万円となります。年商は480万円で、経費を差し引いた年収は250万円〜350万円程度となります。

自費施術を組み合わせた場合、客単価を3,000円と仮定すると、1日15人施術で日商45,000円、月25日稼働で月商112.5万円となります。年商は1,350万円で、経費を差し引いた年収は600万円〜900万円程度となります。

同じような労働時間でも、客単価によって年収に大きな差が生まれることがわかります。


接骨院が提供する2種類の価値

客単価を上げるためには、患者に提供する「価値」を理解することが重要です。接骨院が提供する価値は、大きく2種類に分けられます。

効果提供(施術による改善)

1つ目の価値は、施術によって症状を改善する「効果」です。

効果提供の例として、痛みの軽減・解消、可動域の改善、姿勢の改善、スポーツパフォーマンスの向上、ケガからの早期回復などがあります。

患者が接骨院に来る最大の理由は、「痛みを取ってほしい」「症状を改善したい」という効果への期待です。この期待に応えることが、接骨院の基本的な価値提供です。

効果を明確に実感してもらうことで、患者は「この院に通う価値がある」と判断し、継続来院や自費施術への移行につながります。

使役提供(時間・手間の代行)

2つ目の価値は、患者の時間や手間を代行する「使役」です。

使役提供の例として、予約制による待ち時間の削減、夜間・休日の営業(忙しい人でも通える)、駅近・駐車場完備(アクセスの便利さ)、オンライン予約・LINE予約(手軽に予約できる)、施術後のセルフケア指導(自宅でのケアをサポート)などがあります。

忙しい現代人にとって、「便利に通える」「手間がかからない」という価値は重要です。これらのサービスを充実させることで、価格以上の価値を感じてもらえます。

効果提供と使役提供の両方を高めることで、患者の満足度が向上し、客単価アップの土台ができます。


接骨院の客単価を上げる方法

具体的に客単価を上げるための方法を解説します。

自費メニューを導入・拡充する

客単価を上げる最も効果的な方法は、自費メニューの導入・拡充です。

導入しやすい自費メニューとして、骨盤矯正・姿勢矯正はデスクワーカーや産後の女性に人気で、1回4,000円〜8,000円程度の価格設定が一般的です。ハイボルト治療は急性の痛みに即効性があり、保険施術にプラス1,500円〜3,000円で提供できます。ラジオ波施術は深部の筋肉にアプローチでき、1回3,000円〜6,000円程度で提供できます。EMSトレーニングは運動が苦手な方や高齢者に人気で、1回2,000円〜4,000円程度です。

自費メニュー導入のポイントとして、患者ニーズに合ったメニューを選ぶこと、価値を正しく伝える説明力を身につけること、段階的に導入し、反応を見ながら調整すること、必要な機器への投資を検討することが挙げられます。

回数券・プリペイドカードを活用する

回数券やプリペイドカードの導入は、客単価と来院頻度の両方を高める効果があります。

回数券のメリットとして、まとめ購入による客単価アップ、継続来院の促進、キャンセル・離脱の防止、先払いによるキャッシュフローの改善があります。

回数券の設定例として、自費施術5回券を通常25,000円(5,000円×5回)のところ22,500円(10%オフ)で販売、10回券を通常50,000円のところ40,000円(20%オフ)で販売するなどが考えられます。

プリペイドカードのメリットとして、高額チャージによる客単価アップ、残高があるため継続来院につながる、現金管理の手間削減があります。

回数券やプリペイドカードは、患者にとっても「お得に通える」メリットがあるため、提案しやすい施策です。

物販を取り入れる

施術に関連する商品の物販も、客単価アップに効果的です。

物販で取り扱いやすい商品として、サポーター・コルセット(1,000円〜5,000円程度)、インソール・靴の中敷き(3,000円〜10,000円程度)、ストレッチポール・フォームローラー(3,000円〜8,000円程度)、健康食品・サプリメント(2,000円〜5,000円程度)、姿勢矯正グッズ(3,000円〜10,000円程度)などがあります。

物販のポイントとして、施術効果を高める商品を選ぶこと、押し売りにならないよう自然に提案すること、使い方の説明・アフターフォローを行うこと、在庫管理を適切に行うことが重要です。

物販は施術の補助として提案することで、患者にとっても価値のある提案になります。

施術の価値を正しく伝える

客単価を上げるためには、施術の価値を患者に正しく伝えることが重要です。

価値を伝えるためのポイントとして、施術前に「なぜこの施術が必要か」を説明すること、施術後に「どのような効果があったか」を共有すること、ビフォーアフターを見える化すること(写真、可動域の測定など)、専門用語を使わず、わかりやすい言葉で説明することが挙げられます。

価値の伝え方の例として、「この骨盤矯正を続けることで、腰痛の根本原因である骨盤の歪みを改善し、再発しにくい体を作ることができます」「今日の施術で、肩の可動域が10度広がりました。あと3回ほど施術を続けると、さらに改善が期待できます」といった説明ができます。

価値を理解してもらえれば、価格に対する抵抗感が減り、自費施術や継続来院につながります。


客単価と合わせて取り組みたい売上アップ施策

客単価アップと合わせて、売上アップのための総合的な施策に取り組みましょう。

集客力を高める

新規患者を継続的に獲得するための集客施策を強化しましょう。

SEOを意識したホームページ制作

ホームページを「地域名+接骨院」「症状名+治療」などのキーワードで検索上位に表示させることで、新規患者の獲得につながります。

SEO対策のポイントとして、地域名と症状名を含んだページタイトル・見出しの設定、症状別のページを充実させること、患者の声・施術事例を掲載すること、定期的にブログ記事を更新することが重要です。

Googleビジネスプロフィールの最適化

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を最適化することで、Google検索やGoogleマップからの集客を強化できます。

最適化のポイントとして、基本情報(住所、電話番号、営業時間)を正確に記載すること、写真を充実させること(院内、施術風景、スタッフなど)、口コミを増やし、返信を行うこと、投稿機能を活用して情報発信することが大切です。

リスティング広告の活用

Google広告などのリスティング広告を活用することで、即効性のある集客が可能です。

リスティング広告のポイントとして、地域と症状を絞ったキーワードで出稿すること、ランディングページを最適化すること、少額から始めて効果を測定しながら調整すること、費用対効果(CPA)を常に確認することが重要です。

リピート率を高める

新規患者の獲得コストは、既存患者の維持コストの5倍以上といわれています。リピート率を高めることが、効率的な売上アップにつながります。

リピーターを増やす施策

リピート率を高めるための施策として、次回予約の徹底(施術終了時に次回を確定)、回数券・プリペイドカードの導入、来院が途絶えた患者へのフォロー連絡、施術効果の見える化(経過説明、ビフォーアフター)、治療計画の提案(「〇回の施術で改善を目指しましょう」)があります。

顧客サービスの向上

患者満足度を高めることで、自然とリピート率が向上します。

顧客サービス向上のポイントとして、丁寧な問診と説明、待ち時間の短縮(予約制の徹底)、院内の清潔感・快適さ、スタッフの接遇・マナー、予約のしやすさ(Web予約、LINE予約)が挙げられます。

ノンコア業務を外注化する

施術以外の業務(ノンコア業務)を外注化することで、施術に集中する時間を確保できます。

外注化できる業務として、レセプト請求業務、経理・会計業務、ホームページ更新・SNS運用、清掃業務、予約受付(電話代行)などがあります。

外注化のメリットは、施術できる時間が増えて売上アップにつながること、専門家に任せることで品質が向上すること、院長の負担が減り、経営に集中できることです。

費用はかかりますが、その分施術で稼げる時間が増えれば、十分に元が取れます。


地域で親しまれる接骨院になるための取り組み

長期的に安定した経営を行うためには、地域に根ざした接骨院になることが重要です。

地域で親しまれるための取り組みとして、地域イベントへの参加・協賛があります。地域の祭り、スポーツ大会、健康イベントなどに参加し、地域住民との接点を増やしましょう。

地域の学校・企業との連携も効果的です。学校の部活動へのトレーナー派遣、企業の健康経営支援など、地域の組織と連携することで、紹介患者の獲得につながります。

健康教室・セミナーの開催も有効です。腰痛予防教室、姿勢改善セミナーなど、地域住民向けの健康教室を開催することで、専門家としての認知と信頼を高められます。

近隣住民へのあいさつ・コミュニケーションも大切です。開業時のあいさつ回り、日頃のコミュニケーションを通じて、地域に溶け込む努力をしましょう。

地域で「あそこの接骨院は信頼できる」という評判が広がれば、口コミでの集客が増え、広告費を抑えながら安定した経営ができるようになります。


1人で接骨院を開業するメリット・デメリット

最後に、1人で接骨院を開業する場合のメリット・デメリットを整理します。

メリット:開業コスト・固定費を抑えられる

1人院の最大のメリットは、人件費がかからないことです。

人件費は固定費の中でも大きな割合を占めるため、これがゼロになることで、少ない売上でも黒字化しやすくなります。

また、小規模な物件で開業できるため、家賃も抑えられます。開業コストも、従業員用の設備が不要な分、削減できます。

メリット:自由度が高い

1人で運営するため、経営の自由度が高くなります。

自由度が高い点として、営業時間を自分で決められること、施術方針を自分の判断で決められること、売上がそのまま自分の収入になること、人間関係のストレスがないことが挙げられます。

自分のペースで働きたい、自分の理想の施術を追求したいという方には、1人院は向いています。

デメリット:業務をすべて1人で対応する必要がある

1人院のデメリットは、施術以外の業務もすべて自分で行う必要があることです。

1人で対応が必要な業務として、受付・会計業務、予約管理、レセプト請求、経理・帳簿管理、清掃・衛生管理、集客・マーケティング、備品の発注・管理などがあります。

これらの業務に時間を取られると、施術できる時間が減り、売上に影響します。効率化や外注化を検討することが重要です。

デメリット:施術できる人数に限りがある

1人で施術できる患者数には限りがあります。

1日に施術できる人数の目安として、施術時間30分の場合、8時間稼働で最大16人程度となります。実際には、受付・会計の時間、休憩時間、予約の空きなどがあるため、10〜15人程度が現実的です。

売上の上限が決まるため、客単価を上げなければ収入に限界があります。1人院で高収入を目指すには、自費施術の比率を高めて客単価を上げることが不可欠です。


まとめ

接骨院の売上は「客単価 × 患者数 × 来院頻度」で決まります。その中でも客単価は、経営改善において重要な要素です。

保険施術の客単価は500円〜1,500円程度と低いため、保険施術だけに頼った経営では収益が伸び悩みます。自費施術を導入・拡充することで、客単価を3,000円〜10,000円以上に高めることが可能です。

客単価を上げる方法としては、自費メニューの導入・拡充、回数券・プリペイドカードの活用、物販の導入、施術の価値を正しく伝えることが効果的です。

客単価アップと合わせて、集客力の強化、リピート率の向上、ノンコア業務の外注化にも取り組むことで、総合的な売上アップが実現できます。

1人院で高収入を目指すには、自費施術の比率を高め、客単価を上げることが不可欠です。本記事を参考に、経営改善に取り組んでください。


物療機器販売本舗では、接骨院の経営改善から開業支援まで、トータルでサポートしております。

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